取り戻す時間
爪先が地に着かない。
浮遊して、浮遊して、空を泳いで。
籠に囲ってくれない人ばかり。
(この身が千切れる程。)
広げた両手は黒に濡れた闇。
例えば十五のあの夜更け。
裸足で駆けた痛みは、もう。
(気ままに生きるさ。)
息が続く限り。
君の長い指は魅力的だ。
星空のしたで感じたこと。
足の末端も、指の末端も
びりびりと痺れていた。
すべてが静寂に溶けていた。
真っ暗ななかで
感じるものは
生きていること。
大体いつも
死んでいる気がしている。
私は生きている。
小さなことに腹を立て
小さなことに悩み
小さなことに沈み
小さなことに笑いながら
大きな大きな空のしたで
自分の小ささを確認する。
生きている実感。
誰かに触れる瞬間と、
大自然の幻想さに包まれたとき。
こんな汚れた世界で
それだけが生きていると感じられること。
今はもう、耳を塞ぎたくなる環境で
また
呼吸がうまくできない。
by maco516 | 2012-01-31 11:42 | + maco.